こんにちは、くれば(@clevloger)です。
今回の記事は、「BitMEXが日本人の取引を禁止した理由と、今後の他の海外取引所の規制」について。
という疑問を抱えている方向けに書きました。
BitMEX(ビットメックス)が日本人の仮想通貨取引を5月から禁止すると発表
2020年4月28日の夜、「BitMEXが2020年5月1日から日本国居住者の仮想通貨取引を禁止する」という衝撃のニュースが発表されました。
こちらは公式ホームページからの抜粋。
BitMEXは仮想通貨fxでno.1の取引所で、日本人でもかなりのトレーダーが利用していたので、影響を受ける人もかなり多いと思われます。
ちなみに細かく言うと、「日本居住者(日本に住んでいる人)の取引を禁止」なので、海外に住んでいる日本人であれば、引き続き利用可能です。
BitMEXは日本居住者の仮想通貨取引を5月から禁止すると発表した。
BitMEX(ビットメックス)が日本人の仮想通貨取引を禁止した理由
BitMEXが日本居住者取引を禁止した理由は、「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の改正」によるものです(令和元年資金決済法等改正に係る政令・内閣府令案等の公表について)。
内容をざっくり説明すると、「資金決済法」と「金融商品取引法」という2つの法律が2020年5月1日に改正・施行されます。
この法律の改正・施行に伴い、日本国内の仮想通貨市場に対しては、以下のような各種規制がなされます。
レバレッジ規制(レバレッジ2倍まで)
相場操縦の規制
アフィリエイトなどの広告規制
これを受けて、BitMEXは日本居住者取引の禁止を決断しました。
BitMEXの禁止は「資金決済法」と「金融商品取引法」の改正・施行を受けたことによるもの。
BitMEX(ビットメックス)はもともとグレーゾーンだった
日本で仮想通貨の取引所を運営する場合は、金融庁に対し「仮想通貨交換業者」として登録する必要があります。
本来、日本のライセンスがないと、日本で仮想通貨の取引所を運営してはいけないルールになっているのです。
しかし、BitMEXはこのライセンスを取得しておりません。つまり、そもそも今までがグレーゾーンだったのです。
先ほどのBitMEX公式ホームページの抜粋に、「当局との協議を継続したいと考えており、進展がありましたらお客様にお知らせいたします」とあります。
この書き方からも、もともと金融庁から警告を受けて協議していたであろうことが推察されます。
そして、もともとグレーゾーンだったため、今回の法改正のタイミングに合わせ、日本人の利用禁止に踏み切ったものと思われます。
BitMEXは日本で仮想通貨の取引所を運営するライセンスを持っていない。もともとグレーゾーンだった。
今後はBitMEX以外の海外仮想通貨取引所も規制される?
では、今後、他の海外取引所も禁止されてしまうのか。
少なくとも「大手取引所」については規制される可能性が高いと考えています。
例えば、中国の取引所であるバイナンス(Binance)。
こちらもかなりの日本人が利用していましたが、2018年の3月に金融庁から警告を受けました。
警告を受けたバイナンスは、サイトから日本語表記を削除し、日本では営業をしていないということにしたのです(BitMEXの場合は最後まで日本語表記を使っていました)。
その結果、今は日本人は「一応使える」というような状態になっています。
しかしこちらも、今回の2020年5月1日の法改正・施行により、規制がより厳しくなることは想定されます。
一方、「これらの警告・規制がなされるのは大手取引所に限るのではないか」とも言われています。
なぜなら、日本人向けサービスを提供している海外取引所は定期的に増えており、小さな取引所まで警告を出していたらキリがないからです。
大手となると金融庁も見過ごせなくなりますが、小さな海外取引所であれば、「いたちごっこ」のような形で日本人向けサービスの提供は続くのではないでしょうか。
他の海外取引所については、小さな海外取引所であれば、「いたちごっこ」のような形で、日本人向けサービスの提供が続くと思われる。
BitMEXが日本人の取引を禁止した理由と今後の海外取引所の規制:まとめ
記事を読み飛ばしてしまった方のために、最後にカンタンに内容をまとめておきます。
BitMEXが日本人の仮想通貨取引を5月から禁止すると発表。
禁止した理由は「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の改正」によるもの。
今後、他の海外仮想通貨取引所は、小さな取引所であれば、「いたちごっこ」のような形で、日本人向けサービスの提供が続くと思われる。