投資全般

スーパーコンタンゴとは?原油で発生した理由を超わかりやすく解説

こんにちは、くれば(@clevloger)です。

今回の記事では、「スーパーコンタンゴ」の意味と、「原油でスーパーコンタンゴが発生している理由」について、解説します。

原油がスーパーコンタンゴだと言われているけど、どういう意味なのかよくわからない

といった疑問を抱えている方向けの記事です。

投資をやったことのない人でも理解できるように書いたので、スーパーコンタンゴについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

「現在価格」と「先物価格」とは?

「スーパーコンタンゴ」を理解する上では、「現在価格」と「先物価格」の意味について、知っておく必要があります。

現在価格とは?

「現在価格」とは、「今、目の前のモノを買う時の価格」のことです。

例えば、原油の現在価格が20ドルだとしたら、20ドル払えばすぐに原油を買うことができます。

先物価格とは?

ちょっとややこしいのが、「先物価格」

相場について詳しくない人からしたら、かなり分かりづらいかと思います。

「先物価格」とは、分かりやすくいうと、「将来のモノを今の時点で買っておくときの価格」のことです。

こちらも原油の例を使って説明します。

例えば、原油現在価格が20ドルで、2022年4月の原油先物価格が30ドルだとします。

「先物価格」とは「将来のモノを今の時点で買っておくときの価格」でした。

つまり、今の時点で、この「原油先物価格」である30ドルを支払えば、2022年4月になった時点で、原油を手に入れることができるのです。

「原油先物価格」はかなり未来まで値段がついていて、10年先くらいの分まで、取引されています。

コンタンゴとは?

コンタンゴとは、「現在価格」の方が安く、「先物価格」の方が高い状態のことです。

図はこんな感じです。コンタンゴでは、遠い未来であればあるほど、価格が上がっていきます。

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は 91.png です

なぜ先物価格の方が高い?

原油や穀物などの「商品」は、基本的にコンタンゴになり、遠い未来であるほど価格が高くなるといわれています。

ではなぜ、遠い未来であればあるほど、価格が高くなるのか。

それは、いろいろなコストがかかるからです。代表的なものだと、「保管コスト」があります。

保管コストとは保管するためにかかるお金のことです。

原油の例を使って説明します。

例えば、原油現在価格が20ドルで、2022年4月の原油先物価格が30ドルだとします。

この価格の差は、主に「保管コスト」が影響しています。

原油を保管するためには、備蓄タンクや海上タンカーなどを用意する必要があります。

もちろん、これらのタンクやタンカーは無料で使うことはできません。人件費や場所代、電気代などなど、費用が発生します。

ただ保管するだけでも費用がかかってしまうのです。

つまり、2022年4月の先物価格30ドルというのは、現在価格20ドルで買って、その原油を2022年4月まで保管した場合のコスト(10ドル)を足した価格なのです。

商品の先物価格は、現在価格に保管コストを足すことで成り立っている価格なので、遠い未来であればあるほど、価格が上がるのです。

(他にも金利コストなどもありますが、説明を分かりやすくするためにここでは省いています)

「商品先物価格=現在価格+保管コスト」なので、コンタンゴになる(遠い未来であるほど価格が高い)。

スーパーコンタンゴとは?

スーパーコンタンゴとは、コンタンゴがスーパー激しくなった状態

つまり、「現在価格」が異常に安い、もしくは、「先物価格」が異常に高い状態のことです。

さきほど、コンタンゴの状態では、「先物価格=現在価格+保管コスト」と説明しました。

しかし、スーパーコンタンゴの状態では、現在価格に保管コストを足しても、先物価格には足りないのです。

引き続き原油の例を使うと、

2020年4月時点で現在価格20ドルで、2年間保管するのにかかるコストが10ドルだとする。本来なら、

現在価格20ドル+2年間の保管コスト10ドル=30ドル

となるはずが、2022年4月の原油先物価格が40ドルとなっているような状態。

つまり、「先物価格=現在価格+保管コスト+α」となってしまっているのです。

原油のスーパーコンタンゴとは?

原油のスーパーコンタンゴとは、「原油の先物価格に対して、原油の現在価格が異常に安くなっている状態のこと」です。

スーパーコンタンゴになる要因は、先ほど書いた通り、「先物価格が異常にあがる」か「現在価格が異常に下がる」かのどちらかしかありません。

そして原油の場合は、「現在価格が異常に下がっていること」が要因です。

以下の図は、実際の原油価格をグラフにしたものです。

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は 92-1.png です

赤丸の部分を見ていただくと、急激なカーブになっており、原油の現在価格が急激に安くなっているのが良くわかるかと思います。

現在価格が異常に下がったことで、原油はスーパーコンタンゴの状態になった。

原油のスーパーコンタンゴが発生した理由

原油の現在価格が異常に下がり、スーパーコンタンゴが発生した理由は、大きく2つあります。

1つ目は、新型コロナウイルスの影響によるもの。2つ目は、原油生産国の価格競争が起きたこと。

新型コロナウイルスの原油価格への影響

原油は経済のあらゆる場面で使われています。工場の稼働、飛行機や船の移動、などなど。

しかし、現在、新型コロナウイルスの感染拡大によって、いろいろな国の経済活動がストップしている状態です。

各国の緊急事態宣言により人の移動が制限されているだけでなく、感染防止に向けた工場停止なども起きています。

国際通貨基金(IMF)も、「2020年の世界経済成長率が前年比3%減になる」との予測を出しました。

最初に書いた通り、原油は経済のあらゆる場面で使われています。そのため、経済が停滞すると原油の需要も大幅に減るのです。

世界経済の停滞によって、原油の需要が減ると見込まれ、価格が下がってしまっている。

原油生産国の価格競争が起きた

新型コロナウイルスの感染拡大によって、いろいろな国の経済活動がストップすることで、原油の需要が減ることは確実になっています。

そのようななか、今のまま原油を生産しつづけたら、価格は暴落していく一方です。

そのため、需要減に合わせて、原油の供給量を減らすために、

サウジアラビアを中心とした「石油輸出国機構(OPEC)加盟国」と、ロシアなどの「非加盟国」で構成される「OPECプラス」が開かれました。この会議で、

みんなで協力して、原油の生産量を減らそう!

という提案がなされたのですが、ロシアが拒否して交渉が決裂。そして、原油の価格は暴落。

その後、なんとサウジアラビアが

じゃあ原油の生産量増やすわ

と、増産宣言をしたのです。需要が減っているなかでも、あえて供給をふやすことで、「原油の安売り合戦」を仕掛けたのです。

原油を大量に生産していて、お金の余裕もあるサウジアラビアなので、競争しても勝つことが出来ると考えたのです。

原油の需要が減ると見込まれているにも関わらず、原油の供給量を増やすことで、更に価格が下がっている。

原油のスーパーコンタンゴまとめ

ここまでの話をまとめると、以下の通りです。

説明が長くて読み飛ばしてしまった方も、ここだけでも読んでもらえれば、最低限の知識は身に付くはずです!

原油は現在、スーパーコンタンゴの状態。原油の「先物価格」に対して、「現在価格」がめちゃめちゃ安くなっている。

原油がスーパーコンタンゴになった要因は、①新型コロナウイルスの影響、②原油生産国の価格競争が発生、の2つ。

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くれば
くれば
3,000万円を破産した兼業トレーダー。2年で3,000万円稼いだけど、メンタルがぶっ壊れて半年で全て失いました。その後1年くらい休んで復帰し、4ヶ月で5,000万円以上稼ぎました。