2019/11/09に松井証券さんによって開催された、テスタさんのセミナー
“株式セミナー 利益30億円トレーダー テスタさんに聞いてみた 相場で勝つためにしている〇〇のこと”
に参加してきたので、早速内容をレポートするよ!
セミナーの構成
セミナー構成は、前半1時間半がテスタさんパート、後半30分が松井証券さんの商品紹介パートで、最後にテスタさんが締めて終わり。
前半1時間半のテスタさんパートのうち、質疑応答の時間は20分程度用意(テスタさんのご厚意により実際は更に10分ほど延長)。
講演内容は、参加者が参加申込時に記載した”質問したい内容”から選ばれた質問を画面上に映し出し、それに対してテスタさんが答えていくスタイル。
セミナー内容
テスタさん講演内容の中で、“これは勉強になる!”と思った内容を以下にまとめておきます。
Q.デイトレードで取引するうえでのルールは?
A.”持ち越さない”こと。
特に、損して持ち越す、は絶対にしない。”上がる”と思って買っている以上、含み損が発生した時点で負け。一般的な人は含み損になると、”時間軸を伸ばす”や、”良い情報を探す”といったことをやりがち。そして、この行動によりたまたま助かった場合、同じことを繰り返してしまう。
また、買った銘柄が上昇しているとき、下手な人は売ることを考えてしまうが、上手い人は買い増しを考える。勝つためには、皆と違う行動をとらないといけない。
Q.損失との向き合い方は?
A.必ず次の日には全てリセットすること。
“あといくら上がれば負けた分を取り返せる”といった感情を持ってトレードしてしまうと、負ける要因になる。当然ながら、自分の感情とマーケットにはなんの関連性もない。自分が買った価格はマーケットには関係なく、なんの影響も与えない。負けても次の日には全て忘れ、合理的に価格を見れるようにする。
“自分の視点”と”皆の視点”を持つことも重要。自分が買っても、周りがその銘柄を安いを思わなければ価格は上がらない。
Q.トレードする銘柄の探し方は?
A.
デイトレの場合・・・決算翌日や大きなニュースがでた後など、上下どちらでも大きく動いているタイミングを狙う。デイトレの場合、その場の需給の要素が大きいため、ファンダはあまり見ない。
中長期の場合・・・要素は色々あるが、”今の株価はこの価格帯だけれど、皆は1か月後この株価に対してどう思う?”、”前回決算からなんの分野が伸びていて、それは恒常的なものなのか?特需によるものなのか?”、といったことを考える。3か月スパンで決算を見て、その決算内容と市場の反応を照らし合わせて、買うか否かを決めている。中長期の場合は、買いたい、と思ってもすぐに買わない。
Q.エントリーする時に気を付けていることは?
A.損切りをどこに置くか。
損切ラインを事前に決めておかないと、下がってから考えることになり、後手に回る。勝率は6割くらいであり、損失は必ず発生する。そのため、損切についてエントリー時点で考えておくことは勝つために必要。
Q.同時並行でトレードを行う銘柄の数は?
A.1銘柄だけ。
1銘柄トレードし始めたら、その銘柄しか見ない。1銘柄のみで1日600約定くらいになることもある。
1銘柄に集中して見続けることで、自分以上にその銘柄を見ている人はいなくなるため、それが優位性となる。そして1度トレードを始めたら、動きがなくなるまで見続けることにしている。
Q.損失を出した時、利益を出した時の欲のコントロール方法は?
A.自分で言い聞かせるしかない。
“4か月前の自分に戻っただけ”などと言い聞かせて、とにかくフラットにするのが大事。すぐ寝るのも有効。
Q.上昇時の”利伸ばし”は昔からできた?
A.当然、昔は全くできなかった。
スポーツと同じ。イチローですら最初は野球のルールすら知らなかった。最初から出来る人なんていないので、徐々にコツコツ毎日努力してやっていくしかない。
Q.エントリー&ロスカットの明確な基準はある?
A.無い。臨機応変。
相場は常に変化し続けているので、決まった一定の基準というのは設けていない。逆に、型にはめないのが最強だと思っている。
“教科書ではエントリーポイントとされているところでなぜか非常に弱い”など、”教科書通りが崩れたら逆張り”というのは手法として使う。
Q.利確の考え方は?
A.相場状況に応じて。
例えば、価格が上がった時に、ガツンと一気に上がったのか、それともヨレヨレしながらなんとか上がったのか。
ガツンと上がっていれば、大口が一気に買っているので”強い”と判断できるからまだ持とうと思える。ヨレヨレなんとか上がったのであれば、想定していた利確ポイントより低くても売ってしまったり。
これらの、“みんなの意見”を総合的に判断して利確を考えている。
Q.歩み値や板など、トレード時に最も重視している情報は?
A.チャート→日足→分足の順で見て買うか売るか判断し、板と歩み値で買う(売る)タイミングを決めている。
日足では上げトレンドや下げトレンドを判断。分足でメインで見ているのは3分足。日によって5分足も見る。
ただし、周りのトレーダーでは何分足でも勝っている人はいるので、分足については好きなもので良いと思う。
その他のQA
Q.投資に興味を持ったのはいつから?
A.20台中盤。
Q.なぜデイトレーダーになった?
A.すぐに毎日9~15時で相場に張り付くことが出来たのと、資産を減らすのが怖かったから(持ち越すのは怖かった)。
Q.1回の取引で最高で勝った金額は?
A.正直しっかりと覚えていないが、デイトレードは2千万、中長期は3-4億くらい。損失はコントロールできるが、利益は他人次第。そのため、勝った額についてはあまり覚えていない。
Q.年齢とともに取引手法の変化はあった?
A.年齢での変化はないが、資金量とともに変化してきた。デイトレはそこまで資金を投入することが出来ないため、資金を余らせることに耐えられなくなり、2016-2017年くらいから中長期投資を始めた。
Q.今、注目している業界は?
A.ない。業界では考えていない。
Q.ファンダメンタル、テクニカル、ニュースソースで参考にしているものは?
A.ローソク足と移動平均線のみ。なお、移動平均線は最初から表示されていたからそのまま残しているだけ。皆が好むような難しいインジケーターなどは一切使っていない。
Q.モニターは何枚使用している?
A.7枚あるが実際使っているのは3枚。最初1枚でやっていたが、2枚にしたら効率がすごく良くなった。欲しくなったら増やすくらいでよいと思う。
Q.朝何時に起きている?
A.8:20もしくは8:50。
Q.監視している銘柄の数は?
A.30くらい。そのうち、ちゃんと見ているのは20くらい。
Q.リスク管理の方法は?
A.最高でも資金の10%しか入れないことにしている。
Q.テスタさんのトレーダーとしての優位性は?
A.正直、自分では分からない。
Q.日々、トレードに向けて準備していることは?
A.寝る前にニュースは必ずチェックしている。
Q.尊敬している人は?
A.当時有名だった人やBNFさんなど、トレードを始めたときにはいたが、”越えたい”とか”競う”といった感情はなかった。人と比べておらず、あくまで自分自身との闘い。“過去の自分に勝つ”ことが重要。
Q.トレードを始めて幸せになった?(笑)
A.なった。Twitterに高級料理等を載せると叩かれるので(笑)、ラーメンの写真とかしか載せていないが、実際にはちゃんと良いものも食べているので安心してください(笑)。
テスタさんが大事にしていること
セミナーコンテンツが全て終わった後、テスタさんが再登壇され、”大事にしていること”について語っていただけました。
トレードをする上では、”違和感”を探している。
それは例えば、”この形は買われるはずなのに買われない”、”上方修正なのに株価が下がった”といったもの。
違和感がある際に持ち続けてもロクなことにならない。違和感があれば、すぐに切るようにしている。
直近でいえば、ソフトバンク。決算は大赤字なのに、株はなぜか買われていて強い。ソフトバンクのように色々な投資家が見ている銘柄で下がらないのは、違和感。投げたい人が投げ終わり、強い状態なのではないか。
“こうなるはずなのになっていない”、”上方に巨大な板があり明らかに超えられなさそうなのに向かっていく”など、違和感がある際には、大きな力は逆に張っている可能性がある。
まとめ
セミナーは先着順で口座必須
今回のセミナーですが、なんと参加できたのは松井証券に口座開設済の方限定で、先着順230名のみ。
募集開始した翌日には定員オーバー。募集開始してから口座開設を申し込んだのでは間に合わず、「すでに口座を持っている人」しか参加できず。かなり貴重度の高いセミナーでした。
テスタさんは基本的に講演などはしないですが、”普段から松井証券を利用してお世話になっているから”という理由で、今回無料で講演を開催したとのことでした。
セミナーの感想
セミナーは本当に有意義でした。有名投資家の生の講演を聞く機会はなかなかないので、このような機会を作っていただいた松井証券さんには本当に感謝しています(しかも無料で!)。
そして、セミナーに参加して、莫大な資産を築いているトレーダーの方は考え方が似ていることに気づきました。cisさんの本でも、その場の需給を重視している話や、違和感があればすぐ切るといった話があったかと思います。
応募枠が一瞬で埋まってしまったので、セミナーに参加したくても出来なかった人も多いと思いますが、この記事を読んでテスタさんの手法や考え方について少しでも学んでいただけると嬉しいです。